3/19。451回目の高崎金曜日行動と現状便り

3/7のサンデーモーニング 「東日本大震災から10年…原発事故の真相」より

ひどいもんです。「忘れない」の前に「知らされていない」。

それが10年目の現実。

闘いは続いています。

高崎金曜日行動(タカキン)は451回目。

今週も韓国・サムチョクの火力発電所建設に反対する仲間たちにエールを送る。

あらたな10年目にチャレンジ・高崎金曜日行動

3・11反原発福島行動’21に参加

 3・7群馬さよなら原発アクションは、500人をこえる参加者で元気の出るメモリアルイベントとして実現することができた。この集会で、被曝労働拒否で労働組合が先頭で闘おうとアピールしてくれた動労水戸の仲間たちとともに、高崎金曜日行動の仲間も3・11反原発福島行動’21に参加した。2人の女性が初めて福島の地を踏んだ。

 集会では、飯館村の元いいたてふぁーむ管理人の伊藤延由さん、三春町の写真家の飛田晋秀さん、南相馬市の小高赤坂病院院長の渡辺瑞也さん(体調不良でふくしま共同診療所・布施幸彦さんが代読)が、佐藤幸子さんのコーディネートでトークセッションをした。参加者全体で福島の思いを共有した。

 中国から日本に来て、3・11後にも福島に音楽で支援活動を行ったというお二人のステージ。サージュさんの「この街で」に涙する人も多かった。グオミンさんの揚琴は会場全体を感動に包んでしまった。思いのこもったステージだった。

 三里塚の市東孝雄さんのアピール、星野暁子さんのアピールに続いて、子ども脱被ばく裁判原告の佐藤さんとNAZENヒロシマ保科さんからの「黒い雨訴訟」の特別報告。ちょうどこの日に子ども脱被ばく裁判の控訴が行われている。動労水戸のアピール。途中、椎名千恵子さんがステージに立って、14:46、黙とう。

 地元の稲葉隆一さんのサックスに続いて、浪江町・希望の牧場の吉沢正巳さん、ふくしま共同診療所院長の布施幸彦さんから、ふくしまの決意。

 集会宣言を採択して会場の開成山公園から郡山駅へのデモ行進へ。2/13の余震で、震災以来あまり手を入れられることもないまま老朽化した駅前ビルのひび割れが目につく。それを抜けると、今年も右翼が駅前で日の丸・旭日旗を林立させて、デモ隊に罵声を浴びせる。原発なくそう、被曝させるな、この声を押しつぶそうとするこの光景にミャンマーの軍隊・警察のことが頭をよぎる。

 そういえば高崎金曜日行動も5年ほど前までは、毎週右翼が街宣車で乗り付けて必死で妨害していたっけな、初めて参加した女性に右翼のことを聞かれて思い出した。

継続は力!タカキンはあらたな10年目に!

 首相官邸前の金曜日行動は今月で終わるそうだ。高崎金曜日行動は2021年3月12日から新たな10年目に入った。始まったのは2012年8月なので、正確には10年にはまだ足りない。かつてはにぎやかだった。多いときは100人近い人が立場をこえて集まった。それから確かに人数も顔ぶれもさみしくなった。中央ロータリーも改修工事で使えなくされてしまった。しかし一度も休まずに、毎週声をあげてきた。3・7群馬さよなら原発アクションの成功で元気が出たし、タカキンを続けてきたことの力を実感できた。

 11年目に入ったこの日、福島に初めて足を踏み入れた女性が報告。彼女が話したのは希望の牧場の牛の命のことだった。通りかかった自転車の若者が、財布から千円札を取りだして差し出した。マイクを握って、「たかさき!右も左も関係ねぇ!声あげようぜ!」と叫んだ。

 高崎金曜日行動はずっと仲間とつながり続けてきたし、新しい仲間との出会いを作り出してきた。団結と連帯の場としてこれからも発展し続ける。高崎から、今日も韓国・三陟(サムチョク)にエールを送る。

※三陟は、粘り強い反対運動で、原発建設計画を撤回させた町。最後は住民投票で勝利した。現在、原発に代わって、火力発電所建設計画が、自然を破壊して、強行されている。サムチョクの仲間たちは、再び立ち上がっている。高崎金曜日行動の仲間が縁があってサムチョクを訪問、それから交流を続けてきた。高崎金曜日行動は、連日の火力発電所建設計画白紙撤回に立ち上がるサムチョクと連帯し、毎週ボードをもってエールを送っています。

サムチョクから

サムチョク郵便局前の水曜日行動
大統領府前でもサムチョク火力発電所建設計画白紙撤回を求めてアピール行動が続けられている。
観光地でもあるサムチョクの海岸が火力発電所建設工事によって破壊されている。海岸でも抗議行動。
2018年の反原発福島行動にビデオメッセージを送ってくれたサムチョク原発反対住民運動のリーダー・パクホンピョ神父。2021年の3・11にフェイスブックに投稿してくれた韓国大統領府前からのエール。
だだい大統領府前大統領府前

3・11反原発福島行動へ。労働組合は被曝労働拒否で闘おう。

福島へ。

3・11は続いています。

3・7群馬さよなら原発アクションでの動労水戸の発言

【司会】福島原発事故を痛苦な教訓にして、労働者はもとより、乗客と地域の住民の命と安全を守ることを、労働組合の責務として活動しているという、動労水戸からお願いします。

【照沼靖功氏】 集まられた皆さん、こんにちは。動労水戸という組合で書記長をやっています照沼と申します。よろしくお願いいたします。すみません、マスクをしたまま発言させていただきます。

 動労水戸について簡単に紹介したいと思います。今、司会の方からもありましたように、震災から「被ばく労働拒否」ということで10年間、闘いを続けてきています。

 昨年の3月、ダイヤ改正で常磐線が全線開通されました。私たちはそれに向けて、本当に、震災以降、乗客と現場の労働者を絶対に守り抜こうという闘いを、地域の方々を含めて、労働組合が中心になって闘いを進めてきました。

 先月の2月13日に、深夜に地震があったことは、皆さんご承知かと思います。あの地震のあと、新幹線が10日間以上も止まって、常磐線が新幹線の代替輸送を担ったことが、ネットなどでは華々しく言われていますが、その裏には、現場労働者が被ばくと隣り合わせで、そして高線量地帯に列車が走っていることもわからないで乗っている乗客がいっぱいいる。そういう事実をしっかり伝えなければいけない。そういうふうに思って、この間、私たちは闘ってきました。

 この全線開通とは何だったのか?

 2020年東京オリンピックに合わせて、何が何でも、福島の原発事故はなかったことにする、福島の怒りもなかったことにする。それと一体でやられたのが、常磐線全線開通だったんです。

 前総理の安倍さんが言ったのは、「原発はアンダーコントロールされている。」そんなペテンで私たちは被ばくを強いられています。そして、いまだにあの地に還れない、帰りたくても帰れない、そういう人たちがいっぱいいる。

 今、社会で労働組合解体っていうような動きがどんどん進められています。JRの中でも、東労組にあれだけの人、組合員がいたのに、労働組合解体が会社だけでなく、社会全体で、進められようとしています。

 でも、そういう時だからこそ、やはり現場で、その最前線で闘う労働者、労働者が先頭に立って闘う、それこそが大事だと、私は思います。

(大きな拍手がしばらく続いた)

 この全線開通前に、「動労水戸として、何かできないか?」と、試行錯誤して、自分たち独自で、車両の(全線開通のための)試運転を終えた列車の床下についているホコリを採取して、線量を調べたんですね。試運転に使っていない車両と、使った車両(を調べて比較した)。使った車両と言ってもたった5日間しかその場所をはしっていない。比べたら23倍の線量があった。

 (右の『東京新聞』記事参照)

 それをJR会社に問い詰めたら、会社は何と言ったのか?「その事実は承知した。でも、どういうふうに調べたのかわからないから、こちらはコメントしない。」そんなふうに言って、会社は逃げているんですよ。そして、ペテン的に「鉄道敷地内は除染した。だから安全だ。」と言って列車を走らせています。でも(線路の)フェンスを超えればすぐ高線量地帯なんです。フェンスだけで仕切っている。でも原発から3㎞くらいのところも走っている。それで、「除染したから安全だ。」なんて言えるでしょうか?本当に。

  風が吹いたり雨が降れば、放射性物質を含んだチリやホコリが飛んできます。そういう、乗客をだますような形で、「全線開通は素晴らしいことなんだ」という形で、避難とか、原発の危険性などの全てを覆い隠している。

 今、会社がやっていることに、私たちは労働組合が先頭になって、闘い続けていきたいと思います。(拍手) さらに先日の地震で、原発の格納容器の水位低下が続いています。

(1号機では1・9mの深さが確保されていたのだが、地震後1・2~0.9mに低下。0・6mを切ると、デブリの状態が監視できなくなります)核燃料プールの水があふれるということも起こています。こんなことはいっさい報道されていません。震災から10年、私たちが闘ってきた被ばく労働拒否という闘いが、またもう一つ問われる節目になっていると思います。

 ここに集まった皆さん。そして、全国で原発をなくす、反原発を闘っている人たちといっしょになって、私たち動労水戸も闘っていきたいと思います。   

 この間、現地調査を2回ほどやってきました。

 隣にいる石井さんが行ってきましたので、石井さんの方から、その実態を少し話をしていただきたいと思います。

 【石井真一氏】皆さん、たいへんお疲れ様です。動労水戸の石井と申します。先日に、現地調査に行ってきました。

 「線量を(常磐線の)車内で測ってみよう」ということで、「ひたち3号」という特急列車があるんですけど、その一番前の座席で測ってみたんですね。

 そしたら、座席で「0.756マイクロシーベルト/毎時」っていう値が出ました。車内でそれだけの値が出るということになります。「大野駅と双葉駅という間が、線量計が、ガ、ガ、ガー(擬音)ってあがるんですね。そういう列車が、今も品川と仙台の間を毎日6本、往復3本はしっているということなんですね。その座席は完全に被ばくする。乗客が被ばくすると、当然、運転士や車掌も被ばくしているという状況になっていることがはっきりしました。            去年の7月にも現地調査に行ってきましたが、国道6号線と常磐線が一番近づくところを測ったんですね。そうしたら、20μシーベルト/毎時までしか測れない機器でしたが、それが完全に振り切れました。20μ以上で、どこまで行っているのかわからない状況です。で、JR会社は「敷地内は除染しているから大丈夫、と言っていて、照沼君が仕事をしている勝田車両センター(水戸駅の一つ先)で電車を洗っている。5日間に一度くらい洗うんだけど、その水は垂れ流しで、ひたちなか市の下水道に放射性物質をくっつけたまま流す。  車両の洗車機の上に跨線橋があって、そこで、朝日新聞の元記者のUさんが測ったら0.26マイクロシーベルト。水戸が0.05くらいなんだけど、「かなり上がっているね」とユーチューブにあげています。見てください。 そういうJR職場の実態で、私たちは、このあいだの地震で震度5になった。地震は深夜だったけど、あれが昼間なら電車は(規則で)止めなくてはならない。大野ー双葉間をはしっているときに地震になったら、電車を止めねばならない。運転士や車掌が(何十マイクロシーベルトの高線量地帯を)乗客を避難させなければならない。        

郡山の開成山球場というところの会場で、3・11の反原発の集会をやりますので、高崎の皆さんも、これたらぜひ来ていただきたいな、と思いますので、よろしくお願いいたします。

3・7群馬さよなら原発アクションに500人超!

新型コロナウイルス感染拡大で開催の危ぶまれた2021年、10年目の3・11集会。

無事に晴天に恵まれて、500人を超える参加で、原発事故は終わっていない、原発なくそうと、大きな声を結集して、さらなる大同団結の道、原発反対の希望を示すことができました。参加されたみなさん、心を寄せてくれたみなさん、ありがとうございました。

さらなる困難の10年が始まります。

しかし、私たちがこの3・7集会で確認した連帯と団結は、明るい希望を照らしています。力を合わせてともに前進しましょう。

動労水戸 照沼書記長と石井前委員長